嘘。

今日の御天気は暴風です←なにそれ？


今、長編の設定がためを兼ねて、登場人物の一人をピックアップして、サイドストーリーを書いてるんですが。
これがすっかり楽しくなり(笑)
かれこれ三日目の朝をむかえてしまいました。

思っくそ趣味に走ってるんで、興味無い方には全然判んない、というか面白くない話だと思います。

なので、覗いてみようなんて思う奇特な…いやいやいや、お優しい方だけどうぞ。




ところで、ソラニン。
挿入歌がアジカンなんですね。
なんだか素敵な映画な気がします。
でも比較的手の小さい女の子に、フルスケールのベースは結構きついよ。

そしてベースボーカルってのも大変だよ。

スティングは、首から下がサイボーグだよ。←どうでもいい

ちなみに、過去にストーンズ見に行った時。
ドラムのチャーリー・ワッツの背中に「ねじまき」が付いてないか三回くだいチェックしました。

無かった。おかしいな。随分前から「ロボット」って仲間内では噂されてたのに。

　小綺麗なライブハウスの中は、息苦しいほどの熱気が満ちている。
　ライト眩しいステージ上では、派手なビジュアル系のバンド「スーサイド・スロウ」が演奏中だ。フロントに立つ真っ赤な髪のボーカルが、モニターへ足を掛けて叫んだ。

「今夜も、俺達に愛を注いでくれよな！」

　高々と上げられた右手に、ステージの前列を埋めた若い女達が嬌声を上げる。それを眺めながら、タツはつまらなそうに客席へ背を向けた。
　ふとしたきっかけで、ギターの腕を買われて参加した。丁度前にいたバンドが解散したばかりだったし、スーサイド・スロウは地元で名の通ったバンドだ。加入すれば、顔が売れると言う下心もあった。
　だが。
　ライブの度に現れて騒ぐチャラチャラしたファンの連中も、やたら売れ線を意識した曲も、直ぐにつまらなくなった。化粧の厚いメンバーや、やたら上下関係に厳しいビジュアル界も肌に合わない。先日他の先輩バンドと揉めてから、タツはこのバンドにいる事に、正直嫌気がさしていた。

「お前を、もう二度と離さないぜ！」

　ボーカルの叫びから、このバンドで一番人気のあるラブソングが始まる。
　作曲はタツだが、ボーカルが載せた歌詞は、女の子受けを狙った甘い内容だった。更に間奏やソロを削られ、歌だけを強調するようなアレンジをされたら、どんなに人気が出ようとタツにとっては『腐れた音』に過ぎない。
　スピード感溢れる曲は徐々に盛り上がり、一番の聴かせどころであるサビへと続く。切なさたっぷりにボーカルが叫んだ瞬間、タツはギターアンプへ近付くと、いきなりスイッチを切った。

「おい、ナニヤってんだよ、タツ！」
「止めた。つまんねえんだよ、この曲も、このバンドもよォ」
「ハァ？　今ライブ中だぞ、判ってんのかよ！」

　ドラムスが怒鳴り、ボーカルとベースが慌てて振り向く。それに構う事なく、タツはギターを抱えたままステージを降りた。


　――こんな形で演奏を放棄すれば、他のメンバーと当然揉める。ライブは中断、楽屋では殴り合い、挙げ句に問題を引き起こしたとして、タツはライブホールから暫く出入り禁止を食らった。


　ステージを降りて、およそ一時間後。タツは左目の下を青く染め、口の端に血を滲ませながら繁華街を歩いていた。
　両手に携えたギブソンのハードケースとエフェクタボードが、やたら重く感じる。自宅まで乗り換えなしに帰れる路線の駅は、ここから遠かった。

「痛って、マジに殴りやがって」

　あんな面白くもないバンドで弾かなくても済むなら、この程度の痛みはどうという事も無い。最悪な形で抜けたにも関わらず、心無しか晴れやかな表情のタツを、切迫した女の声が呼び止めた。

「待って！」

　振り向けば、長い髪を乱した高校生らしき女が立っている。大方スーサイド・スロウの追っかけだろうと思い、タツは面倒臭そうに眉を寄せた。

「ナニ？」
「あの、お願い……辞めないで」
「へ？」
「あなたが好きなの、だからバンド、辞めないで！」

　きっと必死なのだろう。顔を真っ赤にして、しっかり掌を握り締めている。そんな彼女へ、つい悪戯心が沸いた。

「じゃ、今ここでヤらせろよ」
「え？」
「俺が好きなんだろ？　だったら、そのくらい平気だよな」

　薄ら笑いながら近付く素振りを見せると、彼女は怯えた表情で少し後退る。それを鼻で笑うと、タツは踵を返した。






タツって酷いやつだな。
そして、スーサイド・スロウって痛いな。
Ｖ系は苦手です。